第4章 夕虹
夏休みが終わったとはいえ、まだまだ暑いからか、広い砂浜には、ポツポツとカラフルなパラソルや、折り畳み式のテントが見える。
海水浴を楽しんでる学生や、波打ち際で遊んでる親子連れなんかを横目に、とりあえず歩こうか、と、二人で砂浜を歩いた。
サクサクという砂の感覚は、まだ小さい頃家族で行った海水浴以来。
砂が靴の中に入らないように、そろそろと歩いてると、潮風に空色のシャツをはためかせた大野さんが、ふふっと笑った。
「どーせ砂まみれになるんだから、裸足になっちゃう?」
「え?」
俺が戸惑ってるうちに、大野さんはぽいぽいとスニーカーを脱ぎ、靴下もぬいで短パンのポケットに突っ込んだ。
「あっつ……砂あつーい!」
笑いながら足踏みをしてた大野さんが、我慢できないというように、突然海に向かって走り出した。
「え?大野さん!!?」
驚いて、あわてて大野さんのスニーカーを拾い、後をおう。
すると、大野さんは、寄せては返す波にバシャッと足をつっこみ
「気持ちいい~」
と、満開の笑顔で俺を振り返った。