第4章 夕虹
よくも悪くも、すぐに感情が顔に出る俺の様子に、雅紀さんは気がついた。
よほど、複雑な顔をしてしまってたのか、雅紀さんは、明るく説明してくれる。
「あ、ごめん。二宮くんってね、智の幼なじみなんだって」
「……あ、そうらしいですね」
それくらいの情報なら知ってる。
問題は、ただの幼なじみかどうかってとこなんだけど。
「弟みたいなものだって、俺には言ってたけどね」
「へぇ……」
どうだか。
二宮がそれをよしとしてるかどうかなんてわからないじゃないか。
子供のような感情がわきあがる。
それでも、今ここにいない人物に、嫉妬するのもみっともないから、俺は、平静を装って箸を動かした。
「……美味しいかい?」
「はい……とても」
「よかった。智は人参食べてくれないんだけど、これならよけようがないから食べるんだ」
「大野さん……人参食べないんですか」
「野菜はだいたい嫌いだけど、特にね」
雅紀さんがぼやくから、思わず笑った。
そのとき、大野さんが、小さく唸ったような気がして、ふたりでベッドを見やる。
大野さんが、ぼんやりと目を開けていた。