第4章 夕虹
兄貴と、昨夜、やっと腹をわって話ができた。
それで、大野さんとの仲を見守っていてほしい、と依頼した早々、いきなり頼るのも気がひけたけど、俺には雅紀さんへの繋ぎは、もうここしか思い浮かばなかった。
兄貴の携帯をならして、大野さんの様子を説明し、雅紀さんにこっちに来てもらいたいと伝えてほしい、と訴える俺に、
『……いいけど。もし、雅紀が番号かえていたら、無理だぞ?』
兄貴は、想像以上に穏やかに引き受けてくれて。
雅紀さんにあっさり連絡がとれたことに、俺は心底安堵した。
『すぐ行くってさ』
優しい兄貴の声に、今までのことも思い出して、俺は、ちょっと泣きそうだった。
ピピっという電子音に我にかえる。
大野さんの脇から、そっと体温計をとり、雅紀さんは苦笑いした。
「8度6分。なかなかに高熱だなぁ……」
「え。そんなにあるんですか」
「んー……こいつ、そもそも体調崩しやすいんだよね。食べないし、無理するし」
タオルケットをかけ直してやりながら、雅紀さんはぼやいた。