第4章 夕虹
俺は、そっとベッドからおり、足元でくしゃくしゃになってたタオルケットを、丸まった大野さんのからだにかけた。
大野さんは、ありがと、と、言って仰向けになり、俺を見上げた。
「大丈夫……?頭痛は?」
「……少し」
大野さんは、ぼんやりと答えた。
俺は、おろおろと何ができるか考えながら、同時に昨晩のことを思い出していた。
……そういえば、雨でずぶ濡れになった大野さんは、電車内のクーラーの風をまともに浴びて震えてた気がする。
あれかぁ……
俺から逃げたのも、もともと体調が悪いのに出歩いていたのがばれたら困ると思っていた、と言い訳をしていたし、それらが悪化してしまったと思っていいかもしれない。
「大野さん。体温計みたいなのはある?」
大野さんは、首をふる。
「保冷剤みたいな冷やすものは?」
また大野さんは首をふった。
「薬は……?」
大野さんは、微笑み、
「寝てれば治るよ……ごめんね」
と言って、目を閉じた。
だよなぁ。独り暮らしの男の家にそんなもんあるわけないよな。
俺は、どうしたらよいのか考えた。
看病したいのは山々だけど、俺は、飯も作れないし、金もあまりもってない。