第4章 夕虹
睡魔なんてまったくおとずれなかったが、大野さんの寝息をきいてるうちに、明け方くらいからうとうとしてしまったみたいだ。
胸の中の塊が、もぞっと動いたのを感じて、俺は目を開けた。
すると、俺の顎のあたりから顔をあげた大野さんと、バッチリ目があった。
寝起きのぼんやりトロンとした目で、
「……まつもと……?」
などと、言われて、俺は一気に覚醒した。
大野さんの背中にまわしていた手をあわてて離す。
「おっ……おはよう!」
さらに体を少し離して、不自然なくらい大きな声で声をかける。
大野さんは、一回目を閉じて、また静かに開けた。
今度はだいぶ焦点のあった目で、俺を見た。
「……おはよ」
少し潤んだ目が、とてつもなくセクシーだ。
「……気分はどう?」
聞きながら、大野さんの額に触れた。
…………あれ
大野さんは、んー……、と言いながら、俺にすり寄ってくる。
いや、可愛いんだけど。
可愛いんだけど。
「さむ……」
小さく呟く言葉に、そうだろうね、と頷かざるをえない。
発熱した体は、少しだけ震え始めてた。