第4章 夕虹
かつての俺たちは、ずっと笑ってた。
兄弟仲がいいねって、周りからいつも言われてたよね。
こんなにぎこちなくなってしまったのはいつからだ?
やるせなくなってきて、俺は視線をさげる。
兄貴は、黙って、また肉を網にのせた。
滴った油で、炭火の炎がぶわっと大きくなった。
「……すげー油……」
呟きながら、兄貴はトングで、肉の置場所を調節してる。
…………。
俺は、ぐっと膝においてる手に力をこめた。
長野さんに言った。
兄貴ときちんと話をするって。
……俺は息を吸い込んだ。
「兄貴……あのね。俺……」
「……」
「えと……」
「…………」
言い淀んでいると、兄貴は思いのほか、優しい表情で、続きを促すように俺を見つめてる。
「……えと……」
「…………大野のことか?」
「……うん」
「…………好きなのか。あいつを」
「…………えっ」
心臓がはねあがった。