第4章 夕虹
のそのそとこちらに歩いてきた大野さんの眼は、ぼんやりしていて、開いてるのか開いてないのか分からない。
きちんと乾かして寝なかったからか、くしゃくしゃの頭は鳥の巣状態だ。
朝の今のこの姿は、昨晩の男らしい姿とは雲泥の差だった。
「……おはようございます」
「おはよう、智」
二人で声をかけると、大野さんは、はよ……、とうなずいて、ソファに座り込んだ。
「ねぇ、どのへんから聞いてた?」
くふくふと雅紀さんが問う。
わくわくするような無邪気な顔が、子供っぽくて笑える。
大人っぽい人だと思ってたのに、これが素なのかな?と、思った。
大野さんは、ふわぁ……と、大きな欠伸をして、ふふと笑う。
「……俺に彼女がどうとか……あたり?」
「そっか……そっか。ふふ」
雅紀さんと、大野さんの会話を、固唾を飲んで見守る。
だって、俺は、大野さんに聞くべき情報を、雅紀さんから仕入れようとした。
それに関しては気分を害したりしてないのだろうかと心配になる。
だけど、心なしか嬉しそうな顔をしてる大野さんに安心する。
……怒ってないみたいだな
ひそかに胸を撫で下ろしていると、
「ねぇ、松本くんさ、智みたいなのは、タイプ的にどう?」
雅紀さんの爆弾発言に、俺は息をとめた。