第4章 夕虹
雅紀さんは、きょとんとした。
「智に?」
「……はい」
「女の子の?」
「……え、男がいるんですか?」
慌てて食いついたら、雅紀さんは弾けるように笑いだした。
……今の流れの何がそんなにウケたのだろうか。
戸惑う俺に、雅紀さんは、くっくっと肩を揺らして笑ってる。
「あは……ごめん。松本くんが可愛くて……」
「可愛いって……」
笑い涙をぬぐいながら、あー、おかし、と、雅紀さんは一言呟いてから……俺の目を見た。
「そんな発想があるってことは……松本くん、男の恋人とか抵抗ない人?」
ドキリとする。
だが、雅紀さんもそっちの人だと、夕べ聞いたところだ。
こういう話は、ごまかしとかはいらないと思った。
俺は、小さく頷いた。
「はい……俺は抵抗はまったく」
「そうなんだ……」
だってさ、と、雅紀さんは、ちょっとうきうきしてるような口調で、俺の後ろに視線を飛ばした。
はっとして振り返ると、そこには、寝起きのモシャモシャな頭をした大野さんが、立っていた。