第4章 夕虹
ホットミルクをいただいた。
少し砂糖が入ってるのか、ほんのり甘くてなんだか落ち着く。
寝不足な体が、じわじわと温まってゆく。
「おじや作ったんだけど。食べれそうかな」
雅紀さんが、ふわふわの溶き卵がのったおじやの椀を、そっと俺の前においてくれた。
正直、飲み物以外で、口のなかに何かを入れるという行為をしたくないのが本音だったけど、そうすると雅紀さんも、大野さんもとても心配するだろう。
俺は、いただきます、といって、小さなれんげで一匙すくい、ゆっくり口にいれた。
とたん、条件反射で胃のなかが逆流しそうになるのを、渾身の力でねじふせる。
「……大丈夫?無理しなくていいよ」
「いえ……とても美味しいです」
ほんとだった。
最初こそ吐きそうになったけど、一口、二口、と咀嚼していくうちに、とても優しい味をしてることに気づく。
思えば昨日の夕方から、KINGで出されたナッツ以外何も食べてない。
きっと、気分がすぐれない俺にあわせて作ってくれたんだろう。
「胃が疲れてるだろうから。少しずつね」
雅紀さんは優しい瞳で、頬杖をついた。