第4章 夕虹
「……智を大事に思ってくれるのは嬉しいけど……ほんとにそれでいいのかい?」
「……はい」
夜中にも関わらず、駆けつけてくれた大野さん。
事情があって、夜のバイトをしているだろうに、俺のヘマで、それが明るみになったら、俺は後悔してもしきれない。
幸い、この事実を知っているのは俺たちと、俺をみつけてくれたというリョウスケさんだけだ。
黙っていたら……やりすごせる話だ。
雅紀さんは困ったように吐息をついて、前髪をかきあげた。
「言いたくないけど……ああいう輩は、またやるよ?」
「もう一人では帰りません」
もうKINGに行かないという約束なんてできないから、俺は精一杯の案をだした。
雅紀さんは、しばらく黙ってから、
「うん……わかった。そのかわり充分気をつけてね?」
と、言った。
俺は、こくりと頷いた。
口元の傷がピリリとひきつるように痛んだ。