第4章 夕虹
「……今から来客?俺……いてもいいのかな」
二人で雅紀さんの寝室に入ると、扉が閉まるのを確認して、松本が戸惑うような顔をした。
一瞬、なんのことかと思ったけど、さっきの雅紀さんとの会話を思い出し、俺は苦笑して、違うよ。と、首をふった。
昌宏さんと飲むって言ってたもんね。
「今日……父ちゃんの命日なんだ」
「…………」
「雅紀さんは父ちゃんを思い出して、一緒に飲むつもりなんだろうね」
「大野さんのお父さんを……?なんで?」
…………
そうか。
話したことなかったな。
ちょっと迷ったけど、俺は、隠すつもりなんかないし、雅紀さんもそうだろうから、そのままの理由を口にした。
「……雅紀さんは、父ちゃんを愛してくれてたから」
「…………」
「二人は恋人だったんだって。俺も父ちゃんが死んでから初めて知ったけどね」
「…………そう……なんだ」
松本が、ぽつりと呟く。
ノンケの彼が男同士に嫌悪感を抱いたら、どうしようかな、と、一瞬思ったけど。
「それは……悲しかったね」
「…………」
松本の言葉に、胸が熱くなった。