第4章 夕虹
軽い脱水状態だったのだろう。
風呂からあがった松本に水を渡すと、ずごい勢いでコクコク飲んでくれて安心した。
……表情もだいぶ落ち着きを取り戻しているようだ。
雅紀さんがキッチンからにこやかに声をかけてくれる。
「松本くん、お腹すいた?なんか食べる?」
「いえ……大丈夫です。ありがとうございます……」
松本は、ぺこっと礼をした。
「……じゃあ、ソーダかなんか飲む?」
雅紀さんは、冷蔵庫から缶を取り出して、こちらにみせてくれた。
松本は、ちょっと考えて、いただきます、といった。
「……口が気持ち悪いから……スッキリする」
ぷはっと一息で飲み、ぽつりと呟いた松本の言葉に、俺と雅紀さんはひそかに目をあわせて頷いた。
雅紀さんの読みは、おそらくあたりだ。
キスされたか……もしくは……
俺は、考えたくなくて、自分もぐいっとソーダをあおった。
「………っ…げほっけほっ」
結果、変なところに入り、激しく咳き込んでると、松本が、笑いながら背中を擦ってくれた。
その手があたたかくて……また、ひとつ、安心した。