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Attack 《気象系BL》

第4章 夕虹



松本の様子と衣服の乱れ具合で、何をされたか、なんとなく想像できると、雅紀さんは言う。


「……たぶん最後まではされてない。されたらあんな風に普通に歩けない」

「……そうだね」


同感だった。
ぼんやりとはしてるけれど、足腰に痛みがあるようにはみえない。


「だけど……別の最悪な辱しめをうけた可能性があるな」


生き生きとしていた瞳は、屍のように力がなかった。
雅紀さんは、ふと、心配そうに時計に目を走らせた。


「……智。様子みてきて。静かすぎる」


俺は、あわてて立ち上がった。






脱衣所をノックしても反応がない。
そっと開くと、そこには誰もいない。

俺は、さらに風呂場の扉を、叩いた。


「……松本?」


返事がない。
中には、本当に人がいるのか疑問に思うほど静まりかえってる。
シャワーの音はおろか、湯をゆらす音もない。


俺は、開けるよ!と声をかけて、風呂場の扉を開いた。

すると、椅子に座った状態で壁にもたれたまま動かない松本が目に飛び込んできた。


「おい、ちょっと!」


思わず、その真っ白い肌に、なにか傷がないか、跡がないかチェックし、肩に触れる。

しっとり濡れてるそこは、ほんとに風呂に入ってるのかと思うほどに冷たくて。


松本の正面にまわりこみ、そのうつむいた顔をあげさせた。


…………!


松本は、静かに涙を流していた。

冷たい髪や頬は、長いこと水を浴びていたことを意味するのだろうか。

俺は、たまらない気持ちになりながら、松本の頭を抱く。


「暑いの……?むこうクーラー効いてるから、いくらなんでも冷えるよ」


シャワーからぬるま湯を出し、松本のからだにあててやる。


「……うん……」


俺にされるがまま、松本はおとなしくうつむいた。
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