• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第4章 夕虹



既に終電をすぎた時間。

道行く人々も、かなり減り、通りの見通しもよい。

KINGの青いネオンの前を通りすぎ、一区画ほど走ったあたりで走るスピードを落とす。

ほどなくして、松本が呟いた店の看板をみつけ、そのあたりに目を走らせると、閉店した飲食店のシャッターの横に、座り込んでる彼をみつけた。

うつむいて、ぴくりともしない。
片手にはスマホを握りしめてる。

俺は、はぁはぁと、弾む息を整えながら、静かに歩み寄った。


「……松本」


そっと呼びかけると、松本は弾かれたように顔をあげた。
その目は泣いたあとのように赤く、心細げに濡れていた。


「……おまたせ」

「大野さん……」

「……どうしたの、…なにかあった?」

「……」


松本は、くっと口を引き締めた。
その口元は唇の端が切れていて、赤い。

俺は、その様子をみて、何かされたのは間違いないと悟った。



「……しんどそうだね。とりあえず帰ろうか……」


手を差し出すと、松本は素直に手を出した。
その手は驚くほど冷たくて、震えてる。

立ち上がらせると、ぷんと異臭がして、吐いたものらしきもので、衣服は汚れていて。

俺は、思わず松本を抱き締めた。


誰にやられたんだよ……?!


悔しくて、ぎゅっと強く抱き締めたら、松本は、俺の肩口で、ふうっと安堵のためいきをついたようだった。
そうして、小さく呟いた。



「大野さん……」

「……なに?」

「……会いたかったよ」



俺は、声をあげて泣きそうになった。


/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp