第4章 夕虹
「……うぐっ」
反射的に吐き出そうとして、変な声がでる。
ところがそいつはそのまま腰をぐいっとつきだしてきた。
青臭く生暖かい棒が、喉の奥を突く。
そして、そのままそいつは、腰を揺すり始めた。
「……っ……」
何度えづいても、口から抜いてくれない。
両目からボロボロ涙がこぼれる。
上半身に跨がられてるから、体も動かない。
顔も背けることができない。
下半身を剥かれるのもまっびらごめんだったが、こんな犯し方も最低だ。
助けて……誰か
「はぁ~下につっこむのもいいけど……これ、すんげー気持ちいい」
そいつは俺の口を蹂躙しながら、口走った。
肩を押さえつけられて腕もあがらない。
気が遠くなりかける。
いっそ意識を失ってしまおうか。
そんなことを考えたとき。
「なにしてんだ、おまえ」
怒気をはらんだ声が、唐突にこの場に投げられた。
…………誰……?!
びくりと動きがとまる。
俺は、うめいて体を動かした。
誰か来た…………!
「強姦か?!警察呼ぶぞ!……誰か!!」
その声の主は大きな声をあげながら、遠ざかって行く。
上にのってたやつは、チッと舌打ちして俺の上からおり、ズボンをあげながら、反対側に走っていった。
俺も、咳き込みながらあわてて起き上がった。
助かったけど……!誰かに事情を聞かれるわけにはいかない!
腕で涙をふいて、口のまわりもふいて。
ぺっと唾をはき、近くに転がってた鞄とスマホをつかみ、よろけながら走り出した。