第4章 夕虹
ぬるりとした舌が、突如俺の口の中に入ってきて、あまりの気持ち悪さに、全身が総毛立った。
そしてそれが、キスされてると理解した瞬間、パニックになる。
狂ったように首を振り、そのまま背けようとした顔を押さえつけられて、さらに舌をねじこまれた。
口内を蹂躙する生ぬるい生き物。
タバコと酒と、いろんな匂いがする。
気持ち悪……っ
「ぅ……げっ」
たまらずに、かはっと、咳き込むと、そいつは不快そうな顔で唇を離し、俺の顔をじいっとみつめてきた。
俺は、恐怖に震えながら、そいつの瞳をみる。
血走り、濁っているその瞳の色は、とても愉快だと物語ってる。
やつは、ぺろりと濡れてる自分の唇をなめ、にっと口角をあげた。
「……ヤらせろや」
「……や……」
「すぐすむから」
「や……だ……」
小刻みに震えながら、必死で首を振る。
なのに、そいつは俺に馬乗りになったまま、体をおこすと、カチャカチャと自身のベルトをはずし始め、呆然としてる俺の前に、ずるりと屹立を取り出してみせた。
何を興奮してるのだか、それはガチガチに天を向き、先端からなにやら垂れてる。
薄暗い中でみる他人のそれは、ものすごく狂暴にみえて。
俺……襲われるの?
自分のおかれた状況に泣けてきた。