第4章 夕虹
その、シンデレラというカクテルは、ほんとにミックスジュースみたいで、美味しかった。
長野さんいわく、お酒の弱い人とかに、よく作るものらしくて、
「これなら、同席した人を白けさせないでしょう?」
だって。
大人ってすげーな、って、思った。
一杯目の、カシスなんとかって、いうカクテルで、もはやふわふわしていた俺には、ちょうどいい。
ファミレスのアルバイト料のおかげで、懐がそこそこあたたかかった俺は、それからもう一杯シンデレラをおかわりし、長野さんや三宅さんとたわいもないお喋りをして過ごした。
……今、何時だろ
次第に店が混みだし、三宅さんたちも、俺だけにはりつくわけにはいかず、カウンターの他のお客さんと談笑したりしてる。
俺はぼんやりと、半分以下になったグラスを見つめながら、電源オフにしていたスマホを手に取った。
真っ黒だった画面が、ふわりと明るくなる。
デジタルの数字は、10時をまわっていて。
……不在着信は二件。
どうせ、兄貴だろう、と、俺は確認もしないままに再び電源をおとした。