第4章 夕虹
「いや…俺、もう」
断ろうとしたら、横から三宅さんが、
「長野くん、潤はシンデレラで」
と、口を挟んできた。
「え…そんなんでいいの?」
長野さんは目を丸くする。
俺も驚いて目を見開いた。
なんだ、それ。シンデレラだって?
カクテルの名前??
ビックリして思わずフリーズしてたら、長野さんは、オッケーとかいいながら、色とりどりのボトルを手に取り出した。
いや、冗談じゃない。
俺、実は未成年なんだってば…!
俺は焦って身を乗り出した。
「あのっ……すみません、俺もうお茶で……!」
「……わーってるよ」
三宅さんは、クスクス笑って、親指をたてた。
「え……でも……」
さっき、三宅さん、カクテルの名前みたいなの言ってたし……!
焦りまくってる俺の前で、手早くシェーカーを振った長野さんは、イエローっぽいそれをグラスに注いで、俺にそっと押し出した。
どうしよう……、と、戸惑ってると、
「ふふ……大丈夫。これノンアルコールのカクテル」
長野さんが微笑む。
「え?」
「言うなればミックスジュースだよ。松本くんはアルコール弱いの、こないだで分かってるから、もう、これで我慢ね?」
…………!
「あ……ありがとうございます」
その二人のスマートな対応に、俺はちょっと感動してしまった。
それが例え、俺の泥酔した姿をみせた結果であったとしても。