第4章 夕虹
思わず起き上がると、兄貴の目は全然笑っていないことに気づく。
ぞっとするほど冷たい。
だけど、黙ってられなくて……たまらずに俺は、畳み掛けた。
「どうして?……なんで、勝手にそんなこというんだよ!」
「愚問だな。何度も言ったはずだ」
「は?俺の友人関係に口ださないでくれ!」
「言っただろ。俺は潤が大切だ。だから悪友は排除してるだけだ」
「…………はぁ?!」
めまいがする。
ああいえばこういう。
だから、頭のいいやつは嫌いなんだ!
「悪友って……兄貴に大野さんの何が分かるっていうの?!」
「お前もわかってないだろ」
「そんなことねぇよ!」
「……現に今日も男といたぞ。あれはきっと恋人だ。そいつゲイだからな」
「そんなの……!」
「近づくなといってるんだ。大野には」
「…………っ」
ぴしゃりと遮られる。
今の兄貴の発言のいろんな要素に、俺は心臓をつかまれたように息がとまった。
「…ふ…ざけんな……」
俺は、全身が震えるくらい怒ったのは初めてだった。
兄貴を心底憎いと思ったのも。
動悸がする。
頭に、かっと血がのぼった。
「ふざけんなよぉっ!!!」