第4章 夕虹
jun
夏休みの間だけと、親と約束をさせられていたファミレスのバイトを、先日辞めた。
店長は、最後までごねて、あの手この手で俺を残そうとしたけど、親との約束とあっては、強く引き留めることもできないのも分かってるからか、
「冬休み待ってるからな!」
と、何度も言い聞かされ、俺は苦笑して、挨拶をして店をあとにした。
だけど、そうやって言ってもらえるのは、正直嬉しかった。
何故かって、自分でも意外だったけど、俺は接客業が嫌いじゃなかったから。
人と話したり、後片付けをしたり、体を動かすことがほんとに楽しかった。
だから…この先のバイトも、ここで雇ってもらえたら嬉しいなと思う。
「はぁ…」
バイトを辞めて数日。
なんだか何もする気がおきなくて、今日も朝からぼんやりとベッドに転がる。
夏休みもおしまいだというのに、学校の宿題は、全く終わってない。
故に、手放しで遊べない。
ところが、今日は俺の誕生日だった。
毎年のことだが、自分の誕生日は、なぜこんな夏休みラストの面白くない日なのだろうと思う。
俺は、もう一度ため息をついて顔を覆った。
バイトがうまく気晴らしになっていたのだろう。
一人になったときに、いつも心を占めるのは、あの人の笑顔だった。