第4章 夕虹
四時間目は体育の授業だった。
二人組でストレッチをする。
普通は体格順で組んでいくのだろうが、教師が点呼がとりやすい、ただそれだけの理由で、俺らは出席番号順に並ばされていた。
俺のひとつ前のやつが今日は休みだから、順番をずらせと指示される。
結果、
「あ、よろしく……」
「…………」
俺が声をかけると、無表情な顔で二宮は小さく礼をした。
ほっそりした背中を遠慮がちにおすと、その体は意外に柔らかく、思ったより体が倒れる。
俺は、二宮の体を押しながら、
「なぁ……」
と、声をかけた。
二宮は、なんですか、と言わんばかりの表情でこちらをちらりと見やる。
「三年の大野って知ってる?」
だが、俺のかけた言葉に、その迷惑そうな目がふっと見開かれたのを見た。