第4章 夕虹
しばらく二人で横に並んで座って、テレビを観た。
今、流行りだという芸人のネタを初めてみて、思わずケタケタ笑ってしまったら、
「大野さんのツボってここ?」
と、松本にもようやく笑顔がみられた。
コンビニで買ってきたおにぎりを食べる。
俺が一個食べる間に、松本は二個食べた。
さらに、涼しい顔して三個目のパッケージを開け始めた松本は、既に食い終わりお茶を飲んでる俺をみて、不思議そうな顔をした。
「大野さんほんとにそれだけで足りるの?あと一個あるけど食べる?」
「(笑)…いらないよ」
時間みてみろよ。
12時前だぞ。
そう言いたかったけど黙ってた。
うまそうに、モグモグ口を動かす松本は好ましくて。
ああ、一緒に物食って楽しい相手って、こういうやつのことだろうなって思った。
夏特有の、生暖かい風が、窓から入ってきた。
「風がでてきたね」
「明日は雨らしいからな」
「えー…嫌だなぁ」
「どうして?」
「髪がくるくるになるから…」
「(笑)そっか…松本は癖っ毛だっけ」
「うん」
扇風機をまわした部屋で、こうやって誰かとたわいない話をして時を過ごす。
その相手は、これまでは常にニノだった。