第4章 夕虹
三宅さんが心配そうな顔になった。
「あの日大丈夫だった?」
「……あの日?」
……あれ、そういえば、俺……焼きそば食ったとこまでは記憶にあるけど、あのあとどうしたんだろう。
気がついたら大野さん家だったもんなぁ。
……もしかして、ここでもめちゃめちゃ迷惑かけたんだろうか。
「あの……俺、なんも覚えてなくて……何かしてたらすみません」
俺は、正直に言ってぺこりと礼をした。
三宅さんは、目を丸くしたあと、くすっと笑った。
「マジ?覚えてないの?」
「はい……なにも……あの、俺なんかしましたか」
すると、三宅さんは、その澄んだ瞳で、じっと俺の瞳をみつめて、ううん、と首を振った。
「なにも。でも、なんだろ?酒弱い?もしかして」
「あ……はい。あんまり飲めなくて」
「やっぱりな。言ってよ。軽いのつくってあげるのに」
「……すみません」
「まぁ……今日はジンジャーエールにしときな。それっぽくつくってあげるよ」
三宅さんはウインクして、戻りかけて、「大野に会いに来たの?」ときく。
こくりと頷いたら、店のなかを見渡してた三宅さんが
奥の方を指差した。
「あそこにいるよ。こっち来たら声かけたら」
俺は、ドキドキしながら振り返った。