第4章 夕虹
堂々巡りのまま、家に到着してしまい、その話題は宙ぶらりんとなった。
だが、予想以上に俺は兄貴の言葉にショックをうけていて……その証拠に、その日から兄貴と顔をあわせても笑えなくなった。
高校生だし。
バイトもしてる身だ。
その気になりゃ大野さんと会うことはできる。
連絡先を消されたわけじゃないから、会うなと言う言葉に反抗なんかいくらでもできる。
……なのに、これだけショックをうけているのは。
ひとつには、小さいころから、俺の一番だった兄貴に、俺の交遊関係を全否定されたのが悲しかったのだろう、と思う。
そして……もつひとつは、俺の言葉を信じてもらえなかったから、だ、と思う。
「潤。今日はバイトなの?」
「うん」
「何時まで?夕飯は?」
「いらない。八時まで。行ってきます」
母さんと事務的な会話をかわして家を出る。
兄貴は最近忙しいみたいで帰りは九時をすぎる。
バイトがおわったら、ダッシュで帰らないと鉢合わせだ。
それとも……ひさびさに大野さんのバイト先に行ってみようかな……
あの日から一週間が経過していた。