第4章 夕虹
大人っぽい大野さんも、雅紀さんの前だと幼く見えるんだな。
ちょっと嬉しく思いながら、扉をしめて、ばつが悪そうにしてる大野さんを見つめた。
ちょっぴりからかいたくなり、
「……大野さん、甘えん坊なの?」
そうたずねると、
「……んなわけないだろ。あの人がそう言ってるだけだよ」
大野さんは、口を尖らせて否定した。
俺が笑うと、大野さんはジロリと俺を見た。
……くそー……大野さん可愛い。
しばらくしてまたインターホンがなった。
今度こそ兄貴だ。
俺は、憂鬱な気分で立ち上がる。
大野さんがはい、と、玄関の扉をあけたら、よく聞き馴染んだ声が、すみませんでしたって言ってるのが聞こえた。
玄関に、立つのは白いTシャツにデニムパンツの兄貴。
……同じ白でも、雅紀さんと迫力が違うんだけど。
俺は、のろのろと玄関に向かう。
射るような兄貴の視線が痛い。
「……じゃあ、大野さん。いろいろありがとう」
「うん。またね。次は新学期かな?」
「……うん」
新学期まで会えないのか……、と寂しく思いながら、
俺は、よそゆきの笑顔をはりつけてる兄貴と共に、大野さんの家をでた。