第4章 夕虹
「そうか……同じ学校の……」
雅紀さんが、感慨深そうに俺を見るのが、なんだかくすぐったい。
なんだろ。
すごく観察されてる気がする。
すると、大野さんは何故か焦ったように、雅紀さんを追い出し始めた。
「雅紀さん、でももう松本帰るから」
「え……?なんで」
「お兄さんが迎えにくるんだ」
「そうなの?もっといればいいのに。残念」
「だ……だから」
「松本くんだっけ……?智をこれからも、よろしくね」
穏やかな笑み。
俺は、つられるように、はい、と頷いた。
この人の声音には、なんだか不思議な温かみがある。
雅紀さんは、楽しそうに続けた。
「智はさ、こうみえて寂しがりやだし、甘えん坊だし」
「雅紀さん!」
なおも語る雅紀さんの言葉に被せるように、大野さんが怒鳴った。
でもその頬は、ほの赤くて。
照れてるんだ。
大野さんの別の一面がみえた気がして、俺はクスクス笑った。