第4章 夕虹
ピンポンとインターホンが鳴る。
「え、もう来たの?」
「……早いな」
二人で顔を、見合わせた。
……兄貴、どんだけのスピードで車をとばしてきたのだろう。
それらすべてが、今から怒られることを示唆してるみたいで、憂鬱な気分で身支度をする。
「はい」
大野さんが、そっと扉をあけた。
「おはよう、智」
「……あれ。雅紀さん、どうしたの?」
「近くを通ったから。顔をみにきたよ……あれ、お客さん?」
甘い声の持ち主だ。
部屋からそっと顔をのばせば、玄関は丸見え。
そこには、白いシャツをはおった爽やかな青年が立っていた。
背がすらりと高くて、茶髪の髪はサラサラ。
優しそうな穏やかな話し方をする人だ、と思った。
その人とバッチリと目があう。
あわててペコリと礼をしたら、その人もゆっくり礼をして、おはようございますと笑った。
「珍しいね。智の部屋に二宮くん以外の子がいるなんて」
「あ……うん」
大野さんは曖昧に笑う。
……二宮?
って、あの二宮だよな?
俺が、不審な顔をしてると、大野さんはこちらを振り返って、肩をすくめた。
「ニノは幼馴染みだから。……それよりこの人が、さっき言ってた雅紀さん。俺がお世話になってる人」
「はじめまして」
雅紀さんは、にっこり笑った。
お日様みたいな笑顔の人だと思った。
「智のお友達かな。ごめんね、ゆっくりしていってあげて。こいつ、いつも一人だから」
「いつもは、余計だよ。こちら、松本くん。同じ学校の……後輩」
大野さんは、ちょっと膨れた顔で俺を、そう紹介した。