第4章 夕虹
そのまま俺はしばらく、大野さんの後ろ頭をじっと見て、彼の気配を感じてた。
だって、もともと俺は大野さんに会いたくて、あの店に行ったんだもんな。
同じ部屋に二人でいることが不思議で……でも不謹慎だけど嬉しくて。
だけど、いつまでもこのままでいられないのも分かってた。
体はべたべただし、お言葉に甘えて俺もシャワーを借りようかな……。
言われてみればなんだか、口の中が気持ち悪い気もするから、うがいもしたい。
「ねぇ……」
遠慮がちにそっと声をかけたら、大野さんがくるりと振り返った。
「あ、起きた。大丈夫?寝れるなら、まだ寝てても……」
「ううん……なんとかいけそう。あの、シャワー借りていい?」
「いいよ。はい」
大野さんは用意してくれたとみられる着替え一式を俺に渡してくれた。
「着替えは、俺のじゃ小さいだろうから、前に知り合いの人にもらったお下がりだけど、ごめんね」
「ううん……ありがとう」
下着は新しいのそれしかないから、無理やりおさめて、と笑われて、俺も笑って、頷き立ち上がった。
まだ頭の芯がずきずきするけれど、動けないこともない。
俺は、よろよろと慎重に歩を進め、大野さんちのバスルームに向かった。