第4章 夕虹
JUN
ふわふわしていた感覚から、突如ふっと我にかえった。
長いこと眠っていた気もするし、そうでない気もする。
…………
ぼんやりと開いた瞳にうつるのは、記憶にない天井。
そして、嗅いだ覚えがあるような、どこか安心する香り。
…………?
混濁した記憶。
俺……なにしてた?寝てた?……どこ?ここ……
「!!」
どこ!?
俺は、ガバッと起き上がった。
とたんに頭のなかで、ジャーンと盛大に銅鑼を鳴らされたような頭痛がして、うずくまる。
「いっ……!」
ぐわんぐわんと続く痛みに耐えながら、薄目をあけると、目の前には壁。
そっと視線を動かすと、ものすこく狭い部屋にいることがわかった。
いわゆる、ワンルームというやつだろうか。
俺がいるベッドと……小さなテレビと。
小さなサイドボード。
それしかない殺風景な部屋だ。
どこ……ここ。
俺は、唖然としながらゆっくり体を起こした。
え……どうしよう……なんの記憶もない。