第4章 夕虹
その繋いだ手を、ふいにぐんっとひかれる。
「……ん?」
智の潤んだ瞳が、物言いたげに俺をじっとみつめてて、俺は、なあに?と、首をかしげて見せた。
すると、智は、
「寝よ」
と、小さくいった。
俺は、うん…と、頷きながら、智はもう眠たいんだな、と理解した。
シャワー、俺も借りたかったけど、寝るならばうるさいかもしれない。
明日の朝、借りたらいいか、と、俺は座布団を並べようと智の手を離そうとした。
床に座布団しいて、タオルのひとつでも借りて、俺はそこで寝たらいいと思っていた。
でも。
「なにしてんの?……こっちあがってきてよ」
なんて、智が言うものだから、俺はギョッとする。
「え……?」
「一緒に寝ようよ」
「……ベッドで?」
「うん」
「……狭いよ?」
「大丈夫だよ。ニノ細いもん」
ほら、と、手をひかれる。
…………マジで?
おおいに戸惑うけれど、変に意識するのもおかしいし、座布団で寝かせたくないと思ってくれてるのかな……と、思った。
「はやく」
焦れたように言う智に、わかったよ……、ともそもそとベッドにあがる。
思ったよりフカフカしたマットレス。
俺が、ちょっと複雑な顔をして、横になると、智はごそごそと端によって、うれしそうに、目を閉じた。
そして、ものの数秒ですうすうと寝息をたてはじめた。