第4章 夕虹
「ニノ、泊まるでしょう……?」
「う……ん。そのつもり。いい?」
「いいよ……俺、ちょっと風呂入ってくるね」
言って、智はゆらりと立ち上がった。
またソープの香りがふわりとした。
お風呂……入ってきたんじゃないの?
喉元まででかかった言葉を、ごくんと飲み下す。
智は、着ていたTシャツを脱ぎ捨て、上半身裸で、ユニットバスに歩いていった。
「……」
俺は、その華奢な白い背中から目が離せなかった。
首筋や肩甲骨に、無数に散らばる赤いアザ。
それらはきっと虫刺されなんかではない。
過去、興味本位で見たAVで、女優の胸にたくさんついてた。
………キスマーク
自分の発想を信じれない思いで反芻する。
俺は、友の新たな一面に大いに戸惑っていた。
真面目で、おとなしい智に、不似合いな姿。
今日はアルバイトだったんでしょう?
サトがしてるのは飲食店のバイトなんでしょう?
こんな時間までどこにいってきたの。
何……してたの?