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Attack 《気象系BL》

第4章 夕虹



猫の額ほどの三和土で、疲れきった顔をした智が呆然と立ち尽くしてる。


「……サト?」


俺は即座に違和感を覚えた。

服装はきちんとしてるけど……なんというか。
纏う空気というか。
なんだか、ほの赤い肌というか。
潤んだ瞳というか……


「……来てたんだぁ……」


掠れるような鼻声に、ドキっとした。
まるで、泣いてましたとでもいうような。
……少しの甘えが入ってるような。




「うん……遅かったね」

「ちょっと残業……」


呟きながらこちらに歩いてくる。
外の空気とともに、ふわりと香るソープの香りが鼻をついた。


……ソープ?なんで……?


智は香水なんてつけないって知ってる。
だから、これは香水の香りじゃない。
正真正銘……ただの石鹸の香りだ。

まるで……そう。
それは風呂上がりを彷彿とさせるような。


眉をひそめてる俺を気にもかけない様子の智は、ふらふらと歩いてきて、そのままベッドにぼすん、と座った。
ふぅーと、ため息をついて、天井をあおぐように上を向く。
その顎のラインが、なんだか艶っぽくて、床に座り込んだままの俺は、どぎまぎしながら、智を見上げた。


「……お……疲れさま。いつもこんなに遅いの?」

「んー……たまに、ね」


智は、気だるげに言って、こちらをチラリとみた。
その視線が、その仕草が、おそろしいほど……色っぽい。

……智じゃないみたいだ。
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