第4章 夕虹
タクシーをおり、引きずるように松本を引っ張り出す。
「ほら……立って」
「んー……」
力の入らない足取りで、俺に体重をかけてくる松本。
それも酔ってるから、遠慮がない、かけかただ。
俺は疼く体に鞭打って、力一杯、松本の体を支えて歩く。
蒸し暑い夜にいったい何をしてんだ……俺たちは。
俺は流れる汗をふくこともできないまま、一歩一歩歩を進めた。
自分の部屋が一階で良かった、と思う。
「おーのさぁん……」
「なんだよ……」
「美味しいね……」
「そりゃ良かったな」
不毛な会話をしながら、ひたすらに歩く。
……俺は確か、ほんの数時間前に、客に道具を使われながら手荒く抱かれて……だから、ホテルで休むつもりだったはずだ。
それが、なんでこんなことになってんだか……。
俺は松本の腕を自分の肩にのせ直し、懸命に歩く。
松本は、ひとしきり吐いて、だいぶ楽になったようだった。
フワフワした足取りながらも、店は自分の足で歩いて出た。
ところが、タクシーで俺にもたれ爆睡をかました挙げ句、俺のアパート前についたから、と、揺り起こしても起きない始末。
いくら好きなやつでも……これは罰ゲームだろぅ……
俺は、はぁ……はぁ……と、息をつきながら、ようやく自分の部屋の前にたどりつき、鍵をあけようとして……気づいた。
……開いてる。