第4章 夕虹
客にもらった小遣いで、ホテル前からタクシーに乗った。
店に一番近い目印になるビルを告げて、リアシートで目を閉じる。
酔っ払ってるとはいえ、抱かれたままの自分で松本に対峙する勇気はなかったから、あわてて頭の先から爪先までシャワーを浴びた。
そのせいか、妙に自分からボディーソープのフローラルな強い香りがする気がして。
タクシー内にその香りが充満していってるみたいで、自分のしてた行為を思いだし、居心地が悪かった。
俺は、ぼんやりと先程の店長のとのやり取りを思い出す。
松本がつぶれてて、起きない、と言った。
……どうして松本が来てるのだろう。
年齢詐称がばれたらまずいから、絶対に店の名前は言わないようにしてたのに。
いや、そのまえにどうして松本と俺がつながってると分かったのか。
飲ませた過程は三宅さんに聞けといってたけど、あの人の仕業なんだろうか。
分からなすぎて焦りだけが募る。
松本はアルコールなんて飲んだことないだろう。
つぶれただなんて、どれほどの量を飲んだのか。
体は大丈夫だろうか。