第4章 夕虹
邪魔にならない程度の音量のBGM。
適度な暗さの店内。
見渡せば、カウンターの他に、テーブル席が何個かあり、そこそこの広さがある店だった。
店員は、今のところ、長野さんと三宅さんだけみたいだけど……
「七時からホール担当のバイトの学生さんたちが来るんだ。大野も今日は七時からだったと思うよ」
今の時間はあまりお客さん来ないからねー、と三宅さんは、俺の前にグラスをおいた。
薄いピンクの炭酸水。
これはもしや……
「食前酒サービスしとくね」
アルコールかぁ……
ひきつりながら、そのグラスをじっと見つめる。
ってか、俺いくつに見られてるのかな、と思って、ひとつの考えに思い至った。
普通に考えて俺らの年では、こんなとこに来ることも
ましてやアルバイトすることもよろしくないはずだ。
それはもちろん大野さんだって例外じゃない。
でもそれができてるということは。
大野さん、もしかして年齢をごまかしてるのかな、と思った。
大人っぽい大野さんは、高校は卒業済みってことにしてたって、おかしくない。
その彼の友達だから、俺も大学生くらいに見られてるのかも。
俺はそこそこ背もあるし、兄貴と遊んでいたら、同級生にみられたことだってあるし……。
「え、今さらだけどさぁー、名前教えてよ」
三宅さんは、カウンターのなかで、小さなグラスの炭酸水を掲げて、乾杯しよ、と言った。