第4章 夕虹
「……なんか食べとかないと腹減るしなぁ……」
呟いた三宅さんは、
「若鶏のグリルと野菜サラダちょーだい」
と、まるで、女子のようなオーダーをしてきた。
それが外見のイメージ通りで、思わず顔がほころびそうになり、俺はあわてて礼をしてごまかす。
「かしこまりました」
顔をあげると、三宅さんはふふっと微笑みながら、じゃ、よろしく、といってスマホを取り出しなにやら見始めたので、俺はその場を離れた。
次に、料理を運んで行くと、三宅さんが、嬉しそうに身を乗り出してきた。
「バイトいつ終わるの?」
俺は、振り返って裏にかけてある時計を目を細めて確認する。
時刻は四時半をまわろうとしていた。
「……五時です」
「このあと暇?」
「……なんでですか?」
「いや、俺さ今からバイトなんだ。良かったら店来ない?って思って」
「…………」
「今日は、大野入ってるはずだよ」
「行きます」
即答した。
だって、大野さんは働いてるところの話を全然してれない。
恥ずかしいのかな……と、あきらめてたけど、今の三宅さんみたいに、知らんぷりして客として行ったら、
大野さんも観念するんじゃないかな、と思った。