第4章 夕虹
俺は……俺の気持ちはどうなんだろう。
溶けきったアイスクリームをいじりながら、ぼんやりとニノの顔を思い出す。
少し皮肉そうに笑む口元。
照れ屋だから、あんまり自分の気持ちを出したりはしない……どっちかといえば、聞き上手なやつだ。
……でも、どんなに考えても、ニノはどこまでいっても弟だ、と思ってしまう。
幼馴染みから、恋人に昇格は、よく聞く話だけど、あいつとの間にそういう感情は、ない……と、思う。
抱かれても驚きだけで、満たされた気分にはならなかった。
次に、松本の顔を思い描いた。
弾けるような無邪気な笑顔を向けられるたびに、ドキドキする。
体調を気づかってくれる言葉が、たまらなく嬉しくて。
自分のしてるバイトによって、幻滅されることが怖くて、言い出せない。
そして、ずっと……会いたい。
自分のなかで整理すればするほど、浮かび上がってくる真実。
「ねぇ……」
「ん?」
「ずっと会いたいと思う人って、そいつを好きってことかな?」
ぽつりと聞いた俺に、雅紀さんは優しく頷いた。
「そうかもね……?」
「……そいつ男だよ」
「それがなに?」
「…………」
「その人だから、好きなんでしょう?」
雅紀さんの言葉が、スポンジが水を吸うように心に染み渡ってゆく。
俺は素直に頷いた。
「……うん。好き」