第4章 夕虹
やたらと、愛想のいいおばちゃん店員が、お兄ちゃんイケメンだから大サービス!だとか、なんとか言って、タワーのようなソフトクリームをつくってくれた。
ありがとう!と、礼を言い、プラスチックのスプーンをふたつもらって、大野さんの待つベンチを振り返る。
……まただ。
大野さんは、ぼんやりした顔で、ベンチに座ってる。
どうしちゃったんだろう。
……あの三宅って人、そんなに問題あんのかよ?
俺は、ちょっと迷ったけど、おまたせーと、あえて陽気な声をだし、大野さんに歩み寄った。
大野さんは、俺を見上げ目を丸くした。
「……なに、その大きさ」
「なんか、サービスだってさ」
「さすが……」
俺は、ニコニコして、大野さんの隣に座って、はい、とスプーンを渡す。
「さ、食おう」
妙に鮮やかなオレンジ色をしたそれにスプーンを突き刺し、大野さんより先に口に運んだ。
ねっとりした口当たりは、甘酸っぱくて冷たくて。
「うまい」
口の中が爽やかになる。
大野さんも俺の手にあるソフトクリームにスプーンを滑らし、口に運んだ。
「ほんとだ。うまい」
「ね」
しばらく、2人でソフトクリームを食べてると、大野さんが、ふと、
「……恋人みたいだね。こんな風に食べてると」
なんて、呟くもんだから、俺は豪快にむせてしまった。