第4章 夕虹
「……っ……三宅さん!……ちょっとこっち……!」
大野さんは、顔色をかえて立ち上がり、三宅さんを引きずるように俺らのテーブルから遠ざけて行く。
なに?なんだよぉ……と、目を白黒させながら、三宅さんは、
「あ、君、また大野から場所聞いて、店来てね!」
バイバーイと愛想のいい顔で手を振ってきて。
何がなんだかわからないまま、俺も、どーも、と頭を下げた。
一人になり、混乱する頭を整理する。
大野さん……あの人とバイトしてるんだ……?
店っていってたけど。
三宅さんは、あか抜けたお洒落な男性だった。
どうみても成人だった。
そのとき唐突に甦ったのは、兄貴と飯を食いに言った先の繁華街で、大人の男の人と歩いていた大野さん。
あのときの兄貴の言葉を思い出す。
『いわゆるそーゆー店が多い』
と、言っていた。
そーゆー店は……どーゆー店……?
大野さん……そーゆー店でバイトしてんの?
モヤモヤと考えてると、しばらくして、複雑な顔をした大野さんが戻ってきた。