第4章 夕虹
アイスオーレを飲みながら、俺は興奮気味に力説する。
「いやーよかったね!あの俳優最高」
「うん。予想以上に面白かったね」
「ほんと?アクションじゃないからって大野さん寝てなかった?」
「失礼だな(笑)最後まで観たよ」
大野さんは、抹茶ラテを飲みながら、くすくす笑う。
映画を鑑賞し終わった俺たちは、場所を移動して、腹ごしらえがてら、とあるコーヒーショップに来ていた。
俺は、パストラミビーフのホットサンドや、マフィンなど、がっつりフードも注文したのに対し、大野さんは小さなスコーンのみ。
どうして、そんなに少食なんだ、ほんとにそれだけでいいのか、と、
何度も確認する俺に対し、大野さんは苦笑いして、
「あれだけポップコーン食ったら、そんなに腹へってないってば」
と、言う。
……俺はめちゃめちゃ腹へったけどな……、と、
ホットサンドのチーズに苦戦しながらかぶりついていたら、
「松本はよく食べるね。見てて気持ちいいや」
そう言って、大野さんは穏やかに微笑んだ。
休みの日の昼下がりとだけあって、このショップもたくさんの客で賑わっている。
運良く大きなソファの席を確保できたから、俺たちは向かい合って座ってるのだが、大野さんの細いからだは、そのソファに完全に埋もれてて、見ててとっても面白くて可愛い。
「……なに?」
じっと見つめる俺に気づいて、大野さんがきょとんとした顔になったから、俺は、なんでもない、と笑った。