第4章 夕虹
松本のそんな顔を見たいって、思うことはおかしいことなんだろうか。
毎朝、声をかわして、時々学校内でも会って……それが嬉しいと思うことは……おかしいの?
それって、ただの友達ではないの?
そんなに二ノを追い詰めることだった……?
なんだか、何が普通で何がそうじゃないか、わからなくなってきた。
いや、だってさ。
なんか、そもそもがさ?
ニノは、いきなり男同士ってハードル、簡単に越えた先の気持ちの話してんだよ。
そのハードルこそ高いはずなのに……それ、どこいったんだって話だよ……?
俺は、はぁ……と、息を吐き、ごろりと寝返りをうった。
電気もつけてない暗い部屋は、どんどん気持ちが落ちて行く。
天井の染みを見上げ、俺は、ゆっくり両手で顔を覆った。
まぁ……幸いにして、こんなバイトをしてるせいで、男同士という垣根は、俺の方にはない。
さらに雅紀さんの存在もあるから、余計にだ。
恋愛に性別は関係ないって。身をもって知ってる。
ならば。俺は……どんな答えをだしたらいいのだろう……。
そのとき、頭もとに置いていたスマホが唐突に鳴り出した。
「…………」
誰だよ、と手を伸ばしてディスプレイを確認して。
浮かび上がる名前に……驚く。
俺は、震え続けるスマホをしばらく見つめたあと、スワイプし、耳にあてた。