第1章 星に願いを(ラビ)
ーーーーー数時間後。
コムイ脱走劇も落ち着き、みんな自分の仕事と向き合っている。
科学班も全員、各々の願い事を笹に吊るし、笹の葉はより一層華やかになっていた。
ぴょこっ
「スミレ!来たさ♪」
「わあ!本当に笹の葉があるっ」
「ラビ!アレンくんもいらっしゃい!」
「神田も連れてきたわ♪」
なんと、ティーンズ皆で来てくれた。
神田は心底嫌そうだが、大方リナリーに連れられてきたのが見え見えであった。
「アレンくんと神田にも声をかけたの♪」
「何で俺まで面倒くせ「書くわよね神田?」
………。チッ」
リナリーが神田に言うことを聞かせていた。
流石リナリーである。
「じゃあ、短冊どうぞ。好きな願い事を書いてね!」
「どんな事でもいいんですか?」
「うん!」
「何書くか迷うさね〜」
「もし悩むようなら、上達したい事でもいいかもね!はた織りの上手な織姫にあやかって、上達をお願いするのが由来だって話もあるから。」
「へぇーそうなのね!」
「あとは、先に書いた人のお願いを見せてもらって参考にするのもいいかも!」
どれどれ、と皆で笹の葉と共に揺れている短冊を失礼する。
そこに書かれていたのは
『巻き毛、仕事しろ』
『残業増やすな 巻き毛』
『リーバー班長 頑張れ』
『コムイ室長が捕まりますように』
先程のコムイ脱走劇による影響が多数、出ていた。
「「「「………」」」」
ティーンズ達が黙ってしまった。訝しげな顔をしている。
「ま、待って!こっちはちゃんとしたのだからっ!ほら!」
スミレは慌てて普通の願い事が書かれた短冊を指す。
『健康になりますように ジョニー』
『体重が落ちますように タップ』
『射撃が上達しますように リーバー』
他には匿名やイニシャルで
『彼女がてきますように』『研究成果が出ますように』『幸せになれますように』等などがあった。
「へー。こんな風にお願い事を書くんですね!」
「いろんな願い事があって面白えな。オレも“彼女ができますように“にするかねー」
…このチャラチャラ兎め。
いやいや、私が咎める理由なんて悲しいが一つもない。
やきもきしていると、科学班のアイドルが私に短冊を見せに来てくれた。
「スミレ!私はこれにするわ」