第1章 星に願いを(ラビ)
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さらにあれから数時間経ち、あっという間に21時過ぎである。
スミレはラビに指定されたとある場所に向け、走っている。
「はあ はあッ」
(ラビ、待ってるかな?!なかなか仕事が片付かなかったよ…)
スミレは、ラビと別れ際に言われたことを思い出すーーーー
『ポケットのメモ見て?待ってるさ』
振り返った時には、見えたのはラビの後ろ姿だった。
白衣のポケットを探ると、カサッと音がし、確かに何か入っているようだった。
そのメモを見るとーーー
“ 本日7月7日 21時 外の修練場で待ってる ”
要件等は書いてなかったので、スミレは首を傾げる。
一体なんだろう。
それにしても、メモの渡し方がスムーズすぎて、もうーーーーー
「……キザだなあっ」
思い出すと顔が熱くなる。
いけない、いけない。これからラビに会うんだから!
最近ラビは長期任務が多かったため、なかなか顔を合わすことすら少なかった。
こうやって会うのは少し久しぶりだ。
ああ、ラビと会うんだ
ううん、やっと 会えるんだ
自然と顔が緩み、彼へと向かう足は早くなる。
やっと外の修練場へ着く。
そこには壁にもたれ掛かり、灯火を持ったラビがいた。
「ラビ!ごめん、お待たせ…っ」
「お!思ったより早かったさね。お疲れ」
「いやいや、時間過ぎちゃって…けほっ」
「急いで走りすぎさ。残業頑張って来てくれたんだろ?ありがとな」
ラビはまだ走ったせいで咽ている私の背中を擦ってくれる。
そう、残業がなかなか終えられなかったのだ。
本当は会う前に夕飯を済ませたり、身型を軽く整えてから来たかったのだが、仕方ない。
「ううん。それよりメモ見たけど、どうしたの?」