第1章 眠れない夜と三日月宗近.. 𓈒𓏸
私に覆い被さっている三日月の唇が何度も触れ、深くなる口づけに
胸の奥まで熱を伝えるかのように、妖艶で落ち着いた包容力と大人の余裕と、少しの独占欲がどんどん私の心を虜にしていく。
息が混ざり、部屋の静けさの中に口づけの甘さが体中を満たしていく。
『…んんっ、ふっ…』
「…、はぁ…主…」
耳元で低く囁かれる声が心を揺さぶっていく。
指先がさらに絡み合い、唇の柔らかさが胸を焦がしていく…。
呼吸が少し荒くなりつつも、心地よい甘さに抗えず
私は少しずつ三日月に全身を委ねていった。
月明かりに照らされ、二人の影が長く伸びる部屋で
互いの温もりを確かめ合うように、手や肩の接触、唇の柔らかさ、息遣い…全てが甘く絡み合い、時間の感覚がどんどん消えていくようだった。