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金平糖の詰め合わせ

第4章 夜桜月見と三日月宗近.. 𓈒𓏸












桜の花びらがふわりと二人の間を舞い、夜の静けさに桜の花の香りが混ざる。


指輪の小さな輝きが月光に揺れ、二人の距離をそっと近づけていた。






『……ねえ、三日月』




「どうした?」





『また、こうして一緒に見に来ようね。夜桜、二人で……』







三日月は軽く目を細め、そっと微笑んで頷く。

美桜の手を優しく包み、温もりを確かめるように指を絡め






「もちろんだ。主と共に眺める桜なら、いつでも格別であろう」






その手の温かさに、美桜は心がじんわりと温まるのを感じ、指輪の輝きがさらに愛おしく思えた。


三日月は一瞬、視線を月に移し微かな間を置いてから、そっと美桜の頬を大きな手で包み込んだ。



そして静かに口づけた。



春の夜はまだまだ長く――二人だけの時間を柔らかく包み込んでいた。
桜の花びらは、まるで二人の幸福を祝福するかのように、夜風に揺れて舞っていた。





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ひとひらの風が頬を撫でて
あなたを思い出すの
指先に触れたぬくもりが
月明かりに溶けていく

ねぇ 永遠なんて言葉より
今をあなたと生きていたい
春の夜 静かに咲く想い
そっと寄り添うように

満ちる夜 願う心は
あなたの笑みに照らされて
何もいらない ただこの時を
あなたと見上げていたい


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




美桜の心の中でいつも口ずさむ歌に合わせて想いが溢れた。





優しく穏やかな風、繋がれた手に想いは月(三日月宗近)に溶ける…

永遠に生きることの出来る三日月とずっと一緒には居られないけど
自分が生きられる間は、共に生き歩んでいきたい…

春の夜に桜と共に咲くこの想いが寄り添うように…

満月の日に月に祈るように心から願うのは三日月の微笑みとこの穏やかな時間だけ…

この一時を三日月と月を眺めながらこれからも見上げていたい…












………Fin.
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