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金平糖の詰め合わせ

第1章 眠れない夜と三日月宗近.. 𓈒𓏸








三日月が何も無かったかのように再び歩き出すと、
ドキドキと止まらない心臓に深呼吸をした。



手を繋ぐ距離はさらに近くなり、時折肩に寄せられる三日月の優しく温かい手の感触に、私の体は反射するかのように反応する。





「……やっと主を独り占め出来たと思えるな」


その声は低く落ち着き、大人の余裕が混ざった妖艶さがありつつも
ほんの少し見え隠れする独占欲に私の胸が焦がれた。







本丸内にある池の側に行くと、水面に映った夜空に浮かぶ三日月が揺れるたび、三日月の瞳も揺れているように見えた。




三日月の視線が私と絡むと胸がぎゅっと締め付けられるように鼓動が早くなった。


三日月の手が肩から腰に回り、さらに密着感が増すと





「主、心の臓が早くなっておるのではないか?」


三日月の少し意地悪な問いと、少し楽しそうな声色に
頬を赤くしながらも少し頬を膨らませて


『……、三日月の意地悪…そういうとこ、ほんとズルいよね』



「ほぉ…俺がズルいか…?俺から見れば主の方がズルい気がするぞ?」




問いかけられ、頬がさらに熱くなった。


私は意識せずとも、三日月の大人な姿と妖艶さに胸は持っていかれていった。








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