第1章 眠れない夜と三日月宗近.. 𓈒𓏸
右手に三日月の手の温もりを感じながら月を眺めつつ、
本丸の中の庭を歩きながら、梟の鳴き声や夜風が草木を揺らす音を聞いていると
三日月が急に立ち止まり手を引き、胸元にそっと導いた。
私の鼓動がトクトクと早まり、息が少し詰まるような気持ちで三日月を見た。
『…っ、三日月?』
「主……ちょっといいか?」
何の事か分からなかったがうなずくと、三日月に短く唇を重ねられた。
三日月の突然の行動に驚き目を見開いた。
確かにマイペースなところがあるけれど、急な口づけは心臓に悪い…。
温かく甘い感触が体全体に広がり、月明かりの下で二人だけの空間が揺れた。