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金平糖の詰め合わせ

第3章 夏祭りと山姥切長義.. 𓈒𓏸












射的でぬいぐるみを手に入れたあと、私達は庭を少し歩きながら、屋台の明かりに照らされる景色を眺めた。


浴衣の裾が風に揺れるたび、長義の視線が何度も美桜に向く。
普段の冷静さはそのままに、でも私に向ける柔らかな表情が胸の奥をじんわり温める。






『この辺りは静かだし、花火もよく見えるね』




「あぁ…そうだな」





本丸の縁側に着き私が言うと、長義は少し肩を寄せるようにして私の隣に座った。息遣いや視線のやり取りから、二人だけの世界が広がっていくようだった。





「主……浴衣、よく似合っているな」




長義の声は低く、でも穏やかで温かい。私は思わず顔を伏せて、耳まで赤くなるのを感じた。




『…っ、ありがとう』




「すまない、伝えるのが遅くなってしまった…」




『……ふふっ、うぅん、そう言ってもらえただけで十分』







花火の光が庭の奥で瞬き、二人の影を縁側に映していく。
音と光のリズムが、二人の呼吸に重なり時間が少しだけゆっくりと流れる。私は小さく息をつき心の奥で

――長義といると、いつもどんな時でも特別な時間になる――とつぶやいた。





長義もまた美桜にだけ見せる微笑みを浮かべていた。
私の心はじんわりと温かくなり、二人だけの小さな世界が、夜の庭に静かに広がっていた。










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