第2章 本編 幸せの青いルフ
*メローザ目線*
「本日3回目の試合は~・・・”ゼール”のメローザと”エトワール”のロクト!さあ、十分に殺し合ってもらいましょう!」
試合開始の合図に等しい、試合監督官の男の声が響く。
こんなひどい闘技場に来る観客など、参加する物の一族くらいなので、歓声は小さかった。
これなら緊張なんてものもない。自然と戦える。
私は決心した。できる限りのことはやる。負けて殺されてしまうことはもうわかっている。でも一族の誇りのためにも、あっさりと殺られることなんてできない。
そう、一族の誇りのため。遠い昔に死んだ両親のため。
二つの短剣をしっかりと握り締め、ゆっくりと開けられた門から差し込む眩しい光に目を細めながら、私はゆっくりと外へ出た。