第2章 本編 幸せの青いルフ
*ロクト目線*
俺はこのキャッシオ砂漠に住む砂漠民族”エトワール”の一人、ロクト。
まあ、そうでなくなるかもしれないけどな。
というのも、俺は今からあの闘技場へ行くんだ。あの何人も死んだ場所へ。
俺は狩りのおかげで剣技も身に付いたし、大人にだって少しづつだけど渡り合えるようになってきた。
でも、それでも・・・これから『死への扉』へ向かうと思うと、正直震えが止まらない。
だって死にに行くようなもんだろ?相手がもし相当な技術を持っていたら、俺は絶対に勝てない。
ダメだ、こんなこと考えてたら理性を失ってしまう。いつもみたいに、笑っていないと。あの照りつける太陽みたいに・・・
俺は自分にそう言い聞かせて、やっと見えてきた闘技場へ向かってまた一歩踏み出した。
大好きなじいちゃんからもらった、鳥の形の飾りがついた金色の腕輪が光輝いていた。